サステナブルな紙との出会い

サステナブルな紙との出会い

どうやったらもっと自然を感じられるようになるのか、試行錯誤が続いた。

2023年夏。島根に帰省したとき、これや!という素材と出会うことになった。

「石州和紙」という約1300年の歴史がある伝統工芸の和紙。自然から生まれたサステナブルな紙。

石州和紙は島根県西部の石見地方の和紙で、小さい頃から馴染みがあった。

小学生時代は石見神楽という伝統芸能を神楽の師匠の指導を受けて取り組んでいた。当時、石見神楽を習ってやる子供がまだ少なかったので僕は主役を任されることが多かった。しかし小学6年生の時、舞いが上手な子が入ってきて師匠は迷わず主役を変更。指導にも一段と熱が入るようになっていた。舞いの才能があると思っていた当時の自分の勘違いを正してくれてよかった。厳しいけどやさしい師匠だった。そんな石見神楽には石州和紙がたくさん使われている。

石見神楽に使われる「蛇胴紙」という和紙は、日本一強い和紙と言われる石州和紙の中でも厚みもあって強い。見た目からも一番自然を感じられる。

この紙で絵画を作れば、もっと自然を感じることができる! まずは自分で作るため、YouTubeを見ながら独学で紙を漉いてみたり、東京でワークショップに参加してみたりした。しかし、思いつきで作れるほど甘いものではなく、どうしようかと考えて、島根の市役所に電話をかけることにした。